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■食費はいらない?
セントラルの平和な昼下がり。非番のハボックは小さなころから可愛がっていた妹分のエドワードが住む長屋を訪れていた。そこには、かつて、「この人についていく」、そうココロに決めた人が楽隠居して暮らしていたりもする(まあ、ずばりヒモ)のだが。そんな過去はすっぱり忘れて、ハボックの目下の目的は可愛い妹分のご機嫌伺いなのだ。
「ところでさー、エド。お前、国家錬金術師のころの貯え、返上しちまったんだろ。あの人養ってて大丈夫なのか?」
「んー大丈夫。あいつ、あんまり食費掛かんないから。」
それはどうして?と問いかけようとしたところで、目の前に一台の車が停車した。ちなみに、ここはエドワードが暮らす長屋の前の路上。居候の男から、自分以外の男を家に上げぬよう言いくるめられているらしく、エドワードの部屋まで招かれたことはないのだ。そのあたり、ハボックは元上司の男がちょっと憎らしい。
・・・なんてことを考えていると、ばたりと開いた車のドアからマスタングが現われた。
「マリー嬢。今日はステキなランチをありがとう。」
「また逢ってくださる?マスタングさん。」
「勿論だとも。」
たらし全開の笑顔でマリー嬢を見送るマスタングに、その背を眺めるハボックとエドワード。
一呼吸の後、エドワードが口を開いた。
「な、食費いらねえだろ。」
ここはエドワードの健気さを哀れむべきなのか(それにしては無感情な気もするが)、元上司のろくでなしをなじるべきなのか、ハボックには分からない。暫く無言が続いた後、ハボックはやっと口を開いた。
「なあ、エド。男のオレが言うのもなんだが。男の浮気性って本当に治らねーんだな。」
「うん。オレもそう思う」
「お前、早く捨てた方がいいぞ。あれ。」
「うん。オレもそう思う。」
「・・・。」
※ちなみに、昼食代は掛からないのですが夕食代は掛かるみたいです。
以下、夕食前のキッチンでの風景。
ガチャーン。
あー、あんた何やってんだよ。
ランチのレシピを聞いてきたので、試しているところだよ。
あんた、不器用なんだからレシピ聞いたって無駄だろう。この無能。
君に味わってもらいたかっただけなのだが・・・。
あー、落ち込むんじゃねえよ。分かった、分かった。代わりにオレが作ってやるから。で、材料はこれでいいのか?
愛しているよ。エドワード。
あんた、その現金さ、何とかなんねー?
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